はじめに
「専門商社って結局何をしている会社なの?」
就職活動や転職活動をしていると、一度は疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。
私自身、専門商社で15年以上勤務していますが、友人や家族からも「商社って何をしているの?」と聞かれることが少なくありません。
専門商社はメーカーのように製品を作るわけではなく、小売業のように消費者へ直接販売するわけでもありません。
しかし、世の中のモノの流れを支える非常に重要な役割を担っています。
本記事では、現役の専門商社社員である私の経験をもとに、専門商社の仕事内容や1日の流れ、やりがい、大変なことまでリアルに紹介します。
専門商社の仕事内容とは?【結論】
結論から言うと、専門商社の仕事は「モノとモノ、人と人、企業と企業をつなぐ仕事」です。
メーカーが作った商品や原材料を仕入れ、それを必要とする顧客へ販売し、その差額や付加価値で利益を生み出します。
単純に商品を右から左へ流しているだけと思われがちですが、実際には、
- 価格交渉
- 納期調整
- 品質対応
- 在庫管理
- 物流手配
など、幅広い業務を担っています。
私はこれまで約15年間機械系の専門商社で勤務してきましたが、日々の業務は想像以上に泥臭く、人との信頼関係が求められる仕事だと感じています。
商社のビジネスモデル(商流)を分かりやすく解説
専門商社を理解するうえで重要なのが、「商流」です。
一般的な流れは以下の通りです。
(私は機械系の専門商社なので、あくまで一例です)
メーカー(重工・機械・設備メーカー)
↓
専門商社
↓
顧客(電力会社・化学会社・プラントエンジニアリング会社・重工メーカー・総合電機メーカー・加工会社・販売会社など多数)
専門商社はメーカーと顧客の間に入り、
- 商品提案
- 価格交渉
- 納期調整
- 在庫確保・管理
- 物流手配
- 納入
- アフターサービス
- クレーム対応
などを行います。
表に出ることは少ないですが、単なる仲介業ではなく、各専門商社がサプライチェーン全体を支える役割を担っています。
専門商社営業の1日のスケジュール
私の一般的な1日の流れを紹介します。
9:00 出社
9:15 メールチェック
10:00 顧客対応・見積書他、各種資料作成
11:00 仕入先(メーカー)との打合せ(機械の仕様打合せ 他)
12:00 昼食・昼休憩
13:00 顧客訪問・WEB会議(機械の仕様確認、新規機器・設備導入の提案など)
15:00 打合せ結果を経た、仕入先(メーカー)・顧客との価格交渉・納期調整
17:00 社内で進捗報告・打合せ
18:00 各種資料作成・事務処理・翌日準備
19:00 退社
上記の通り、メーカー・顧客との間に立っての調整業務が多いです。
専門商社の仕事で求められるスキル
コミュニケーション力
上述の通り、顧客・仕入先・物流会社・社内関係者など、多くの人と関わるため、対人能力・コミュニケーション力は必須です。
ストレス耐性
様々な関係者が登場し、顧客からは仕様・納期・価格面などで無理難題を言われ、メーカーからは、「対応が難しい」と言われるといった板挟みになることもしばしばあり、ストレスを抱える時があります。
私も納入した機器・設備に対するクレーム対応など、ストレスを抱える様々な場面があります。
経験を積めばある程度事前に回避できますが、中間に立つプレッシャーは常にかかるので、強いメンタルが求められます。
調整力
専門商社の仕事は調整業務の連続で、納期や価格など利害関係が異なる関係者をまとめる力が求められます。
以下に一例を挙げます。
仕様:顧客から提示された仕様条件・要求に対し、メーカーへ対応可否を確認し、お互いの妥協点を見出しながら、仕様を固め、機器・設備の製作を進めていく。
納期:顧客からは短納期を要求されることもしばしば。メーカー側工場の都合もあるので、お互いが納得する納入日の調整を行う。
輸出入商談においては、船や飛行機の都合でズレて1日を争うこともあるので、物流会社との連携も必要です。
価格面:顧客は自社の予算に合わせるべく、価格交渉をしてきます。
こちらも確保したい利益があるので、値下げが難しい場合は、理由を説明したり、仕入先(メーカー)にも価格交渉しながら、合意点を見出します。
語学力
海外取引がある場合、英語や中国語といった語学力が大きな武器になります。
私自身もTOEICや中国語学習に取り組み、実務で活用してきました。
語学学習に取り組む様子は、以下のカテゴリーで記載しています。
⇒ 資格取得・英会話 挑戦体験記
TOEICなどの学習で日常会話は問題無くなるかもしれませんが、実際のビジネスでは、打合せ・電話などで自身が伝えたいことを瞬時に発することができる力や、様々な国の方と話すので、聞き取りやすい英語ばかりではなく、リスニング力も求められます。
単語・文法力を鍛えるための机上の学習ももちろん必要ですが、ある程度まで勉強した後は、実際のビジネスや英会話スクールで瞬発力を鍛えることが大事だと思います。
専門商社の仕事のやりがい
私が感じるやりがいは以下の3つです。
- 商談規模が大きく、大きな金額を動かせる
- 海外ビジネスに携われる
- 顧客・メーカーから信頼される
以下に一例を挙げます。
- 250億円の自家発電所設備案件に大手重工メーカーと取り組んだ。
- 台湾への海外駐在や、欧米からの輸入案件や、東南アジア向け輸出案件。
- 顧客からの信頼を勝ち得て、他のプロジェクトでも指名頂き受注拡大。
- メーカーからの信頼を勝ち得て、他顧客向けの代理権を獲得。
他にもたくさんあるとは思いますが、自分が携わった機器・設備が無事に納入された時の達成感は、この仕事ならではだと思います。
専門商社の仕事で大変なこと
一方で、大変なこともあります。
- 納期トラブル
- 価格変動
- 為替リスク
- 海外との時差対応
- 休日の緊急対応
以下に一例を挙げます。
- 顧客との契約納期に対し、海外メーカーから直前になって3ヶ月遅れる旨連絡あり、調整に大変苦労した。
- 昨今の原材料費の高騰で、国内メーカー・海外メーカー共に見積価格が大幅にアップすることがあり、価格調整が難しくなってきている。
- 輸入商談においては、円安の影響により、仕入コストが増大している。
- 欧米とは時差があるため、連絡を取れる時間が限られ、残業で対応することもしばしば。
- 納入した機器・設備が不具合を起こし、休日の電話対応、場合によっては現地へ行って確認。
海外取引では、自分ではコントロールできない問題が発生することも少なくありません。
しかし、大きな利益を取れるのも海外取引であり、様々なリスクを抱えながらも、経験を積み、リスクを最小限にして商談を進めていくことが求められます。
専門商社に向いている人
私の経験上、以下のような人は専門商社に向いています。
- 人と話すことが好き
- 変化を楽しめる
- フットワークが軽い
- 海外ビジネスに興味がある
- 年収を上げたい
専門商社の以下要素を踏まえ、上記を挙げました。
- 顧客・メーカーとの度重なる打合せ・やり取り
- 国内・海外出張での移動の多さ
- 海外駐在を含めた環境の変化
- 利益が上がればボーナス増に直結しやすい
専門商社に向いていない人(率直に)
逆に以下のような人は苦労するかもしれません。
- 変化が苦手
- ルーティンワークを好む
- 人との交渉が苦手
- 受け身な性格
前項で記載した要素を踏まえると、上記の方は専門商社向きではないかもしれません。
専門商社で働くと年収はいくら?
仕事内容が分かったところで、次に気になるのが年収だと思います。
私の実体験では、
20代:約400万円~760万円
30代:約780万円~1,270万円
でした。
専門商社は、成果がボーナスに反映されやすく、海外駐在になると、年収は更に上がる可能性があります。
詳しくは以下の記事で解説しています。
【年収に関する記事】
専門商社の年収を完全公開|20代〜30代・海外駐在含む
専門商社のボーナスはいくら?支給額・割合・リアル事情を完全公開
【海外駐在に関する記事】
【完全公開】専門商社の海外駐在年収はいくら?手当・手取り・実体験で解説
年収を上げたい人へ(転職という選択肢)
専門商社は比較的高年収を目指せる業界ですが、会社によって待遇には大きな差があります。
もし現在の年収やキャリアに悩んでいる場合は、一度転職市場で自分の価値を確認してみるのもおススメです。
👉 私自身も転職を経験しましたが、自分の市場価値を知ることは大きな学びになりました。無料なので、試してみる価値はあります。
まとめ・さいごに
専門商社は顧客とメーカーをつなぐ重要な役割を担っています。
仕事内容は価格交渉や納期調整、海外ビジネスなど多岐にわたり、決して楽な仕事ではありません。
一方で、大きな案件に携われるやりがいや高年収を目指せる魅力があります。
これから専門商社を目指す方や、転職を検討している方の参考になれば幸いです。


コメント