はじめに
「専門商社の離職率は高いのだろうか?」
就職活動中の学生や転職を検討している方の中には、このような疑問を持つ方も多いと思います。
私自身、機械系専門商社で15年以上働いており、台湾駐在や転職、出戻りも経験してきました。
実際に専門商社には離職する人もいますが、一方で長く働き続ける人も多くいます。
私の会社でも、約10年前は新卒入社社員の3年以内離職率が30%近くまで上がった時期がありました。しかし、現在では5%以内まで改善しています。
本記事では、専門商社で15年以上働く私が、専門商社の離職率の実態や離職する理由、長く働く人の特徴について本音で解説します。
専門商社の離職率は高い?
結論から言うと、専門商社の離職率は会社によって大きく異なります。
一般的には、
- 極端に離職率が高い業界ではない
- 大手企業は比較的定着率が高い
- 中小企業は会社による差が大きい
という印象です。
実際に私の勤務先でも、以前は離職率が高い時期がありましたが、現在では大幅に改善されています。
一方で、出戻り前の中小の専門商社では、2年間で私を含めて約20人の退職があり、出入りが激しかったです。
そのため、
「専門商社だから離職率が高い」
というより、
「会社ごとの労働環境や待遇による差が大きい」
と考えた方が正しいと思います。
専門商社で離職する人が多かった時期
私の勤務先では、約10年前に新卒社員の3年以内離職率が30%近くになった時期がありました。
当時を振り返ると、
- 業界の将来への不安
- 労働時間の長さ
- 若手への教育不足
- 専門商社という板挟みになることへのストレス
- 男性が多い業界で女性営業職が活躍しにくかった
などが影響していたように感じます。
私自身も同期や後輩が退職していく姿を何度も見てきました。
優秀な人材ほど早い段階で転職を決断するケースもあり、会社としても大きな課題になっていました。
ボーナスが下がり始めた時期でもあったので、安定感を求めてメーカーへ転職したり、公務員になるケースもありました。
現在は離職率が大幅に改善している
しかし、現在は状況が大きく変わりました。
私の勤務先では、新卒社員の3年以内離職率は5%以内まで改善しています。
その理由として大きいと感じるのは、
- 継続的な賃上げ
- ボーナスの増額
- 労働環境の改善
- 若手社員への研修制度の充実、サポート強化
- インターンシップなど、入社後のミスマッチを減らす取り組み
- 顧客・仕入先にも女性が増え、女性営業職の活躍の場が増えた
です。
近年は物価上昇もあり、多くの企業が賃上げを行っています。
私の会社も世の中の流れに合わせて給与水準を引き上げており、その効果は大きいと感じています。
逆に、賃上げが難しい中小企業には厳しい時代だと思います。
また、業績向上に伴いボーナスも増加しているため、若手社員が将来に希望を持てる環境になっています。
専門商社を辞める人の主な理由
専門商社から転職する人には共通点があります。
ここでは私が実際に見てきた主な理由を紹介します。
① 給与や待遇に不満がある
最も多い理由の一つです。
特に若手の頃は、
- 仕事量の割に給与が少ない
- 年功序列で、仮に成績がトップクラスであってもすぐには昇進できない
- 住宅手当が少なく、家賃の手出しが多い
- 残業代がつけづらい
など、給与・待遇面への不満を耳にすることがありました。
② 仕事が想像と違った
「商社」という言葉から華やかなイメージを持つ人もいます。
しかし実際には、
- 見積書をはじめとした書類作成
- 顧客・仕入先(メーカー)との納期調整
- クレーム対応
- 在庫管理
など地道な業務も少なくありません。
また、顧客と仕入先と板挟みになるケースが多いです。
華やかな海外駐在などに憧れていた人は、そのギャップで辞める人もいます。
③ 他業界へ挑戦したい
若いうちは様々な可能性に挑戦したい人もいます。
実際に私の同期や後輩でも、
- 重工メーカー
- 各種機器・設備メーカー
- 他の商材を扱う商社
- 公務員
へ転職した人がいました。
また、家業を継ぐ人もいました。
私自身も輸入機械・飲料を扱う商社へ転職しましたが、外の世界を見たいという思いから、転職する人は多いのではないかと思います。
専門商社で長く働く人の特徴
一方で、長く活躍している人にも共通点があります。
① 顧客との関係構築が好き
専門商社の仕事は人との信頼関係が重要です。
定着している人は、顧客との会話や提案活動を楽しんでいる印象があります。
私もそうですが、顧客と信頼関係を構築し、困りごとを聞き出し、提案した機器・設備が売れる楽しさは、何物にも代えがたいです。
② 学び続けることができる
専門商社では、
- メーカーから提案される新製品
- 顧客の業界動向
- 輸出入に絡む貿易管理令や、海外情報
- 外国人とのやり取りに必要な語学力
など継続的な学習が必要です。
好奇心を持ち、自身を鍛え続けられる人は成長しやすいと思います。
③ 短期的ではなく長期的に考えられる
新人時代は大変なことも多いですが、3年・5年・10年と経験を積むことで、仕事の面白さが見えてきます。
国内営業で大変なことも多いと思いますが、そこで頑張ることで海外営業・海外駐在につながり、新たな発見や自己の成長につながると思います。
長く働く人ほど、長期目線でキャリアを考えている印象があります。
私自身が15年以上働いて感じること
私はこれまでの専門商社勤務で、
- 海外駐在
- 大手重工メーカー出向
- 転職
- 出戻り
- マネジメント
など様々な経験をしてきました。
もちろん辛い時期もありましたが、専門商社だからこそ経験できたことも数多くあります。
特に海外駐在や海外メーカーとの仕事は、自分の視野を大きく広げてくれました。
もし私が新卒時代に戻ったとしても、商社を選ぶと思います。
それくらい、私にとっては向いている業界だと思っています。
専門商社への就職・転職を考えている方へ
専門商社の離職率は会社ごとの差が大きく、一概に高いとは言えません。
企業研究を行う際は、
- 離職率
- 平均勤続年数
- 平均年収
- 海外展開状況
- 海外駐在員の割合
- 若手社員の活躍状況
- 女性営業職の活躍状況
などを確認することをおすすめします。
また、OB訪問や口コミだけで判断するのではなく、実際に働いている社員の話を聞くことも重要です。
まとめ・さいごに
専門商社の離職率は会社によって大きく異なります。
私の勤務先でも、約10年前は新卒入社社員の3年以内離職率が30%近くありましたが、現在では5%以内まで改善しています。
その背景には、
- 賃上げ
- ボーナス増額
- 労働環境改善
- 若手支援強化
などがあると感じています。
専門商社は決して楽な仕事ではありませんが、顧客・仕入先との折衝や海外駐在など、その分大きく成長できる環境でもあります。
就職や転職を検討している方は、離職率だけで判断せず、自分に合った会社かどうかを総合的に見極めることが大切だと思います。
本記事が専門商社への就職や転職を検討している方の参考になりましたら幸いです。

コメント