台湾駐在で人生はどう変わった?専門商社マンの仕事・生活・成長の記録

仕事内容

はじめに

2013年から2015年前半までの約2年間、私は専門商社の駐在員として台湾で勤務していました。

駐在が決まった当時は、

・海外で仕事ができる楽しみ
・言葉が通じるかという不安
・生活環境への心配

など、期待と不安が入り混じった状態でした。

実際に台湾で暮らしてみると、日本では経験できない多くの学びがありました。

仕事の進め方や価値観の違いに戸惑うこともありましたが、それ以上に自分自身を成長させてくれた、人生を変える貴重な経験だったと思います。

本記事では、台湾駐在生活を振り返りながら、仕事・生活・成長についてリアルな体験を紹介します。

台湾駐在が決まったときの率直な気持ち

台湾駐在の話を初めて聞いた時、正直なところ嬉しさと不安が半々でした。

商社の人間として、海外で働くことには以前から興味があり、自ら海外駐在を希望していましたが、

・現地で仕事ができるのか
・言葉の壁は大丈夫か
・生活に慣れることができるか
・妻は帯同するべきだろうか

といった不安もありました。

家族や妻にも相談しましたが、せっかく巡ってきたチャンスでもあり、人生で中々無い機会なので、海外転勤にチャレンジする決断をしました。

台湾での仕事内容

台湾駐在中の主な仕事内容は以下のようなものでした。

・台湾国内の顧客対応(価格交渉・納期調整など)
・台湾国内の仕入先(メーカー)対応(価格交渉・納期調整など)
・新規仕入先開拓
・日本製設備・機器の展示会出展対応
・台湾メーカーと日本メーカーとの協業検討

台湾国内の顧客(化学メーカー・プラントエンジニアリング会社など)がいて、そちらに日本メーカーの機器・設備を販売するという、日本国内の営業と基本的な部分は同じですが、言語や文化の違いがあるため難しさもありました。

実際の営業担当は、台湾人スタッフがいて、補佐を行ったり、日本メーカーや日本の本社・支店との橋渡しを行ったりもしました。

納期調整などのために1人で仕入先にいくこともあり、日本語が通じない中、英語・中国語・ボディーランゲージを交えながら、商談を進めた記憶があります。

また、台湾メーカーと日本メーカーとの協業検討では、自身が日本で懇意にしていたメーカーの技術と台湾メーカーの低コストのモノづくりが協業することで、より競争力がある製品を作れないかといったことを検討しました。

日本との仕事の違いで驚いたこと

台湾で働いて最も印象的だったのは、仕事に対する考え方や商習慣の違いでした。

例えば、

・人脈が非常に重要であり、いくら日本製の良い機器・設備をもっていっても、キーマンへの人脈が無ければ売れない。
・トップダウンで意思決定が早く、あっという間に仕事が進む。
・台湾人スタッフは自身のキャリアアップを常に念頭においており、転職に抵抗が無い。

など、日本の価値観では通用しない場面もあり、スピード感や人脈の大切さなど、多くの学びがありました。

台湾の顧客に食い込むために、設備購入の決定権を持つ人脈があるコンサル会社に相談したこともありましたし、ここでは記載できないような様々な方法を使ったこともありました。

そのような努力が実り受注できた際は、台湾人スタッフと共にお酒を飲みながら喜びを分かち合いました。

一方で、日本のような終身雇用制という文化が薄く、優秀なスタッフはすぐにより良い条件で転職してしまったり、起業を目指したりして退職してしまうこともあったので、スタッフの定着に苦慮した部分もありました。

台湾での生活は想像以上に快適だった

仕事面での苦労はありましたが、台湾での生活そのものは非常に快適でした。

地下鉄・バスといった交通機関も発達しており、食事も日本人の口に合うものが多く、初めての海外生活でも比較的馴染みやすい環境だったと感じています。

妻の妊娠・出産があり、1年目は単身生活でしたが、外食は安く美味しく気軽にでき、自炊の際のお米も美味しく、不自由はありませんでした。

2年目に妻・長男と暮らし始めた時は、現地の市場やスーパーで食材を購入しました。特にフルーツは、マンゴー・ドラゴンフルーツといった日本では高級品も、安く購入することができました。

台湾駐在時、市場で撮影した、マンゴーなどのフルーツの写真
台湾駐在時、市場で撮影したフルーツの写真

休日の過ごし方

休日には台湾各地を観光する機会もありました。

九份や台北市内など、日本では見ることのできない景色や文化に触れたり、様々な美味しいものを食べました。

千と千尋の神隠しのモデルとなった九份の街にある茶屋の前で撮影した写真
千と千尋の神隠しのモデルとなった九份の街にある茶屋
台湾駐在時、たくさん食べた京鼎楼の小籠包の写真
台湾駐在時、たくさん食べた京鼎楼の小籠包

海外駐在は仕事だけでなく、人生経験そのものを豊かにしてくれると感じています。

仲良くなった日本人駐在員同士で、バイクで台湾一周3泊4日の旅に出たこともありました。
当時、台湾では、日本の普通免許があれば、申請して国際免許に変えることで、125CCのバイクまでレンタルできました。※最新情報はご確認下さい。

この旅では東西南北の端にいき、墾丁・太魯閣・礁渓温泉など、様々な名所を巡りました。

太魯閣(タロコ)で撮影した絶景の写真
太魯閣(タロコ)の絶景

台湾の歴史や文化から学んだこと

台湾駐在中に訪れた中正紀念堂、龍山寺、故宮博物館などは、現地の歴史や文化を知る貴重な機会となりました。

故宮博物館の正面から撮影した写真
故宮博物館正面の写真
壮大な中正紀念堂の中庭を撮影した写真
壮大な中正紀念堂の中庭

海外で働くうえでは、その国の歴史や文化を理解することも大切です。

私は元々社会が好きなので、駐在中に台湾の歴史や文化について学びました。これはビジネスだけでなく、台湾人とのコミュニケーションにも役立ったと感じています。

普段日本で過ごすと、一律に「台湾人」と思うかもしれませんが、元々台湾に住んでいた「内省人」、第二次世界大戦後に中国大陸から来た「外省人」、更に比較的東部に多い「先住民」など、様々なルーツを持った方がいます。

言語も通常の中国語(繁体字)と台湾語では、日本の標準語と沖縄語くらい異なります。

このような部分は、駐在して実際に生活してみなければ分からなかったことだと思います。

台湾師範大学で学んだ中国語と多様な価値観

台湾駐在中は、仕事だけでなく自己成長のための時間も大切にしていました。

私の場合、会社の語学学習費用補助の制度を利用して、業務終了後に台湾師範大学の中国語クラスへ通っていました。

授業はグループレッスン形式で、
・ブルキナファソ
・アメリカ
・韓国
・インドネシア
など、様々な国から来た受講生と一緒に学びました。

最初は中国語を習得することが目的でしたが、それ以上に印象に残っているのは、各人種の多様な価値観や考え方に触れられたことです。

同じテーマについて話し合っても、国によって考え方や表現方法が大きく異なり、自分自身の視野が広がったことを覚えています。

また、仕事では接点のない業界やバックグラウンドを持つ人たちと、年齢関係無く交流できたことも貴重な経験でした。

中国語の習得だけでなく、国際感覚や異文化理解を深めることができた点は、台湾駐在で得られた大きな財産のひとつだと思います。

中国語学習は帰国後も続け、簡体字も習得し、中国語検定2級に合格することができました。

台湾駐在で大変だったこと

もちろん楽しいことばかりではありませんでした。

・言葉の壁
・文化や商習慣の違い
・家族との距離
・日本との連携

など苦労する部分もありました。

日本の本社・支店と台湾人スタッフが仕事の進め方を巡りぶつかることもあり、どちらのやり方も理解している私としては、板挟みになることもありましたが、双方と対話を重ね、徐々にギャップを埋めていきました。

また、私は入社5年目で海外駐在しましたが、このような若手では会ってもらえず、「上司と来なさい」と言われたこともあったので、肩書が必要な場面もあることを身に染みて感じました。

台湾駐在が自分を成長させてくれた

台湾駐在を経験したことで、自分自身の考え方にも大きな変化がありました。

・柔軟性
・対応力
・コミュニケーション力
・異文化理解

など、多くの力が身についたと思います。

2年間という短い期間ではありましたが、ビジネス・人脈・言語・生活・異文化など、ここには書ききれないくらいの多くのことを学び、得る物がとても大きかったです。

帰国後すぐに大手重工メーカーへの出向を命じられますが、海外駐在を経験して様々なことへの対応力が付いたこともあり、2年間やり遂げられた気もします。

海外駐在の年収について詳しく知りたい方へ

海外駐在の魅力は経験だけではありません。

実際には住宅手当や海外勤務手当なども支給されるため、年収が大きく上がるケースもあります。

詳しくはこちらの記事で解説しています。👇
【完全公開】専門商社の海外駐在年収はいくら?手当・手取り・実体験で解説

まとめ・さいごに

2013年から2015年までの台湾駐在は、私にとって人生を大きく変える経験でした。

年収アップという面だけでなく、
・視野が広がった
・価値観が変わった
・人として成長できた
という意味でも非常に貴重な時間でした。

また、仕事・生活・文化・人との出会い。
日本にいるだけでは得られなかった経験を数多く積むことができました。

もし海外駐在のチャンスがあるなら、ぜひ一度は挑戦してみる価値があると感じています。

これから海外駐在を目指す方や、台湾での仕事に興味がある方の参考になれば幸いです。

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